サイドウェイ

映像作品

自分に出会えない人生は、他者とも出会えない。

伊丹十三

こんばぶら。投稿を続けます。

公開は2004年だから20年前くらい

婚前旅行をおっさん二人で行うというロードムービー

誰もゾンビにならないし、渋谷でデスゲームも始まらないし、敵国にパラシュートで降りたりしない

ただハゲでデブでチビでバツイチの主人公マイルスと、昔は少しは活躍していた俳優でスケコマシのジャックとの読んだことないけど東海道中膝栗毛みたいな話

マイルスはワインヲタでカリフォルニアのワイナリー巡りの計画を立てる

アメリカワインはニューワールドといって、新興国扱いだけど

1976年パリスの審判と呼ばれるカリフォルニアワインがフランスワインにブラインドテイスティングで勝つという衝撃的な事件がありました。

プギャーされたフランスワインはうちは熟成が売りだからと10年後(1989年)と20年後(2006年)とリベンジマッチをしてますが、みたびプギャーされます。

とはいえ歴史があるフランスの価値が下がる訳ではないんですよね

早くから貴族のためのブランディング戦略をしていたことが今の地位を生んでいる訳です

地元長野もワイナリーが増えてきましたね。ぶどうは肥沃な土地だと育たないので、日本では山が多い地域で作られる作物なんです。

私はお酒が強くないので休日はカルディで安い白ワイン買ってきて炭酸で割って飲んでます。

話がそれましたが、主人公はひがみやすく、自分に自信がなく、人の意見に空気を読み

元嫁が再婚すると聞いたら酔った力で元嫁に電話してくだをまく、自分の書いた小説が出版されないと伝えられるとワイナリーでやけ酒して追い出される、異性がサインを出していてもモジモジしているだけで行動に移せないと、どこまでも等身大の自分感を見せつけてくれます。

そうなんですよね。みっともなくて、むき出しの感情が本質だよなと

全部自己防衛なんだなって見せつけられます。Z世代が蛙化とか、タイパでマッチングアプリを選ぶとか別に今に始まったことじゃないし

太宰の時代に比べればずいぶんと現代は人間的に上等です。

恋なんていうものは、そもそも回を重ねるに従って難しくなっていくようにできているのである

伊丹十三

この映画に憧れて、失恋した時にケンゾーエステートの紫鈴をやけ酒した思い出

でもってお酒に酔って、自分に酔ってという様式美が出来たら満足するんです。

どんなに自己防衛しても結局勘違いする生き物なんだから、どこまでもみっともなく足掻く姿を見せていけばいいと思います。

ワインとはこじれた人間が恋を始める教養であると本作に教えてもらいました。

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