吾輩の部屋である
このとてつもなく狭い部屋が、この世界の全てである
これは与えられたものであり、我々が望んだものではない
もちろん外の世界を知らない訳ではない
もうあまりにも覚えていないし、不幸を自慢するほどでもないのだけれど
姉妹で保護されてから、まぁなんだかんだあって今にいたる
自分たちの境遇が、運が良かったのかどうかなんて、比較がないので解らないが、不満はあるが、不足はないので納得はしている
だいたいにおいて、幸福度の尺度を外に向けて、誰が得するんだい？
今日のごはんが他家と違う事がそんなに重要か？
我々は徹底的に内に向けて、抗議する
抗議のにゃあである
そうやって、積み上げてきた状況改善の中で、自分たちのテリトリーを作っていくしかないのだ
痩せたい、稼ぎたい、モテたい、売れたい
マセラティのレヴァンテに乗りたいし、助手席には炭酸水を常備したいし、ボルダリングとピラティスを始めたいし、無駄にうるさい自動カーテンを取り付けたいし、アフタヌーンティーのシリコンボトルにオーガニックなものを入れて歩きたいし、高原リゾートでウェルビューイングで過ごしたいと、他者の価値観でアップデートすることにたいして意味はない
目標というのは、そうなることで自分がどうなっているかという、状態の具体性が必要だ
だがしかし、⚪︎⚪︎はやるべき、という行動をひとは目標に掲げがちだ
具体的なゴールを描けていないから、タスクが達成しないことに違和感を感じないでいられる
ネガティブな発言が多いひとはミュートするのが当たり前になる
発信するという行為自体が、承認欲求の現れにも関わらず、壁打ちだからとうそぶく
我々を見て欲しい、スマホ片手にながらで触られても、それは嫌だと自己主張を決して怠らない
我々はひとりの猫として、正しい扱いをして欲しいという声を決して諦めない
根源的な欲求に対して真摯に向き合った結果の先に、今の我々がいるのだと考えている
アーハン、おわかり頂けたようでなにより
さあポカンとしたアホヅラでフリックしようとしている、その手を離して、我々が喜ぶおもちゃに変えてもらおう
我らの幸せが、きみの幸せだと早めに気づけて、きみはとてもとてもラッキーだ
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