藤と虎 中編

2021年9月

常人では辿り着けないであろう銀座路地裏スナックのガネーシャ風の女主人から、レディー達を譲り受けることを取り付けて、契約書に名前を書いて固い握手をして、分断されていた国同士の平和条約が締結したみたいな雰囲気になったのが前回までのあらすじ

譲渡会って結構審査とか大変なんだけど、女主人は結構ゆるゆるだった。

有難いんだけど大丈夫なのか聞いてみた

「これでも人を見る目はあるのよ」

ガネーシャぁああああああああああああ。゚(゚´Д`゚)゚。

それ以外も結構至り尽せりで、自分の車でレディーを運んで来てくれたし、引き取った当初、猫風邪ひいてたみたいだから相談したら薬までくれに届けてくれたし、余っているからとトイレまでくれた

もしかすると人生を豊かにするマインドを教えてくれる関西弁で喋るゾウだったのかもしれない

レディー達を向かい入れるにはゲージが必要なんだけど、狭いとこに閉じ込めるのが嫌でバカでかいのを購入

結局食品貯蔵庫みたいなとこの扉を外してゲージを入れる事に無事成功。以降その扉が二度と付けられることはないのであるコングラッチュレーション!

そしてその日、彼女達はやってきた。

生き物ってねストレスを感じるとめちゃくちゃ臭いんよね

ゲージの中でみじろぎもしないでいるのに強烈に臭う

あまり刺激したくないので電気を点けずに、遠目で眺める

鎖に繋いだ巨人を眺めるハンジみたいな気持ちでいたら

ううっ、そういえば名前をつけてない

うちの相方とそれからけんけんがくがく、互いを罵り合う汚いディベートはここに晒すことは出来ない

結果こうなった

不服そうにこちらを見ないで欲しい。ベストは尽くしたさ。世界に平和が再び訪れたんだ。

自分たちを誇りこそすれ、蔑む必要なんてないのさ

レディー達のためにフローリングにタイルカーペットもひいた

慣れるもんだよね。

暫く時が経つと病気予防のためにも避妊手術をしなければならないとのこと

初めての発情する前にしなければならないということで、いやいやがるレディーを一人ずつ魔窟みたいな病室に連れて行かんとならん

まって、うちの子の名前…

「では次は藤ちゃんと虎ちゃんですねー」

我々は国家権力に与した訳ではない。

信念は形を変えていいのだ、時代に適応していく、苦しんだ分だけその道は君の未来だ

つづく。

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