こんばぶら。今日はうちのプリンセスシスターズのお話
とある日、銀座にあるスナックで譲渡会があるらしいぞと、怪しげなサイトを見つけて行ってみたところ、GPS指定の路地を歩けど歩けど、ふむどこにも見つからない。
ガセを捕ませられたんだと徒労に暮れてもぶつけるには、まだ夏の残滓が漂っていて、疲れて果てて路地にへたり込む
するとどうでしょう。同じように路地を行ったり来たりの住人がぽつりぽつりと増えだしてきました。
招待状を持たないでパーティーに来てしまった哀れな人達を眺めていると、急に後方がガシャーンと音を立ててシャッターが上がり飛び上がる。
「あら?お待たせしてしまったかしら」
いえいえそんなことありません。ここがバロンがいるお店でしたかふぉふぉふぉ
女主人の手招きに導かれてスナックの扉を潜るとゲージの中に囲われた猫ズ達が鎮座していた
お世辞にも広くない店内のカウンターの上、しかも照度も雰囲気重視のメランコリックだ
決して多くはないが色んな子達がいた。最初に飼うならなるべく懐く若い娘がいいだろうと
異世界転生した後、早々に奴隷商で品定めする、適応力が高いひきこもりみたいな気持ちで眺めていると
闇に映える二匹の黒猫が目に止まる
「この子達は捕獲される時に怖い思いをしたのね。人慣れはしてないの」
ふむ女主人抜群の合いの手でござるな
ぶっちゃけゲージの外から手を伸ばして、体を触らせてくれる子達もいた(ぐへへ)
でも、黒猫ズは体をゲージの奥へ奥へと離し、女主人が手につけたちゅーるのみに反応するのみ
でももうひと目見たその時から気持ちは彼女達しか考えられなくなっていた
「君(達)に決めた!」
彼女達は震えていた
つづく。
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