なろうのメディアミックス乱立により、異世界転生は市民権を得て久しいが
本作は「転生したら日本人でした。なんか周りも知り合いばかりだったんですけど〜前世知識と能力でチート無双〜」というタイトルでネタバレしていくスタイルを継承していたのかもと思うと、時代の変節を感じざる得ない
月を見ていると郷愁を感じてしまうヒロインの坂口亜梨子(ありす)は、母からとうふのおつかいをミッションとして受ける事から物語はスタートする
そこへ、新体操のリボンをメインウェポンとして颯爽と現れるのが小林輪(りん)だ
二人は税務署の話を少ししたのち、ガムを口移しで交換した後、自宅に戻ったありすの頭には斧が刺さっていたので激しい攻防があったと推察される。
スラダンでもそうだったが、最初は比較的コメディ論調で語られて行くが、やがて訪れる深い闇のパラドックスだ
それは現代社会へのアンチテーゼであり、承認欲求の渇望を満たす人間の持つグロさだ
ここで新たに二人の人物に御登場頂こう。小椋迅八と錦織一成だ
彼らの事は後々語ろうと思う
いや、後回しにしたところで、事態が好転する訳ではないのだ。
勇気を持って足を前に進める事も時には必要だと鈍い頭を横に振る
彼らは告げる。毎晩同じ夢を共有しており、玉蘭(ギョクラン)と槐(エンジュ)という名前で昨日はベットインしたところだと。そしてその場所は地球を背景にした宇宙空間であるということを
シーンは変わって、ありすと輪は自宅に戻っている。輪は告げる、私もあなたとデジャヴしたぞ、おまえ、あいつと結婚するのかとありすに詰め寄る
逆上した輪はベランダからクロッカスの球根をガラスごと外に投げ捨てる。それを見たありすは輪に手をあげてしまう。
体制を崩した輪はベランダから落ちてしまうのだ。
後に伏線は回収されるのだが、日渡先生は安易なご都合主義にならない絶妙なバランスの上で物語を構成する天才的な支配力を持っている
先生ならサザエさんを描いていても叙述トリックを使って読者を揺さぶっているはずだし、古事記を書いていたなら、スサノオにも救いを与えた筈である
物語にたらればはないのだが、もし輪が落ちないという世界線だった場合、この後の劇的なストーリー展開には結びつかない。
さてメンタルもホロホロに、ありすは気丈にも学校へと登校するが、クラスではすでに話題になって陰口にされている
そこで手を差し伸べるのが迅八だ(むきー!)
と、すったもんだありつつ、ついに輪が長い眠りから覚醒して目覚める事で物語は大きく動き出す(べべんっ)
異世界転生した直後に(☝ ՞ਊ ՞)☝ウェーイしてるのはやっぱリアルじゃないと感じさせるシーンだ
覚醒した輪は自身が転生者である事を理解し、涙する。
ありすは輪の意識が戻ったと喜んだのも束の間、母親から輪からの婚約の話を聞き卒倒する
ここで卒倒したありすは、迅八と一成が話していた木蓮(モクレン)という女性になっているシーンが挿入される(キタ━(゚∀゚)━!)
私地球に生まれたかったわ そして そして私 あなたのために 夕飯におでんを作るの
翌日ありすは自分が見た映像を迅八と一成に伝えると、二人は驚愕して他の仲間も探そうと、若さゆえの深慮ない考えに夢中になる
なにやら月刊◯ーみたいな雑誌を一成が持つ姿は神々しい
もしかすると締め切り前の恐怖と綴っているところを見ると実録ナックル◯みたいというのが近いのかも知れない
伏線が多い本作ではこういった考察も楽しい一面だ
という事でこの雑誌を使って呼びかけてみようと提案され、物語は歯車を噛み合わせて回り出していく
なんと◯刊ムー兼、実◯ナックルズに載せた雑誌に、他の月基地の仲間から反応があったのだ。
あとはこれ以降、基本的にずっと輪のターンだ
タカシを脅して、田村さんのあばらを折って、春もボコボコにして(ボコボコが似合う子なの)、未来路くんも太刀打ち出来なくて
と、全てをお伝え出来る事が出来ないのは心苦しいが、様々なエピソードを挟みながら全て輪を中心に展開していく
(ゆえに上も輪のせいである)
さて、アメリカが掲げるアルテミス計画では月面での持続的な駐留の為の基地設置と最終的に人類を火星に送る計画だ
民間に広げた事で、ネットインフラのように次代のマーケットになってくるのだろう
ぼく地球(たま)読者はこれを聞いた時、皆ピーン✨ときた。なんだイーロンマスクもジェフベゾスも孫正義もみんな日渡ファンやないかい
いいでしょう!(ぼく地球ファンは寛容なのだ)
ぼく地球を読んで涙を落とせない者と心から握手は出来ないし、同志であるならスペインバルで8時間奢ったり奢られたりして語り尽くせる作品なのだ
そんな日渡先生のぼくの地球を守って原画展
会期:2023年5月11日(木)~5月23日(火)
会場:福屋 広島駅前店 8階催場
イーロンマスクやジェフベゾスや孫正義も来るかもしれない人類の一大イベントに参加できるのはここだけ🕺
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