悪役令嬢に認められたくて

今日は未来から来た藤さん寅さん(猫です)の話じゃなくて、現在のうちの子達のお話

うちの子、特に寅さんはごはん食べてすぐ吐く

猫はよく吐くのは知っているけど、毎日吐く

病院にも連れていったけど問題ないと診断されるし

めちゃくちゃ高いキャットフードまで手を出して、手を変え品を変え、色々試したけどやっぱ吐く

ウェットフードなんかは、うちは週一であげているんだけど、ひどい時はそれすら吐く

拒食症のようなムーブなんで心配するんだけど、毛はツヤツヤでふっさふっさだ

まぁ、インターバルなしでごはんを平らげるんで原因はたぶんそれ

しかもたぬき顔なんで、体つきは藤さんよりほっそいのに痩せているようには見えない

一種の承認行動なのかもしれないともおもったけど、人間がいない時にでも吐く

人は原因の追求をしなければとならないと思っている、もしくはそういう衝動をもっている

そして自分が納得する答えがでたのなら、もしくは有力なエビデンスがあれば安堵する

そんなことよりも、やれかまってくれ、かまってくれと常に鳴いているのだから

がしがしと触って、おもちゃで遊んであげる割合を高めた方が、ずっと猫さんマターともいえるだろう

心配だけど、結局のところ解らないのだから心底親猫バカでいればいいのだと思ったりする

二匹は姉妹だけど、性格は全然違う

くろねっこは等しく甘えん坊だ

これは世界の定理であり、普遍的なナニカ、もしくは事象を構築する真理であると猫耳をモフりながら考える

藤さんは、ひたすら猫の神経帯と言われるお尻を、リズミカルに叩くことを要求する

相手の腕がもげるまで、その要求を下げることは決してない

一遍の妥協も許さぬそのストイックさは、尊敬と畏怖を相手に抱かせる

寅さんは、ごろんと寝転がって腕(前脚)を上げ、体の内側を掻いてもらいたい

のども掻いてと煽り、ゴロゴロとのどをを鳴らし、深淵なる瞳をこちらに向けている

それはまるで、バッターボックスに入る前までの決められたルーチンのように

急に目の前までトコトコと現れて、ごろんするまでのストロークは芸術点に振り切っている

一切の予断を挟むことのない、官能的で、哲学的な美の結晶だ

また、二匹は遊びかたも違う

寅さんは細い紐の先に獲物がついているおもちゃが好きで、藤さんは苦手だ

藤さんは、紐が尻尾にからみついてパニックになったトラウマから、ひゅんっという音に過剰に反応して戦線から華麗に撤退する

そのためうちでは二種類のおもちゃを駆使することで、攻略対象にアプローチする必要がある

渇望に忠実である二匹を満足させるには、こちらの体力は大いに消耗され、自身のアイデンティティーを代償にしていく必要がある

しかしながら満足しない日は、夜中に二匹で鬼爆走を部屋中で展開させるのだから、決して手を抜けないのである

いやむしろ、寝顔の横におもちゃをもってきて鳴くまである

そいういう訳で我が家のプリンセスずは、公界のカースト上位を維持しながら、我々がどれだけ要求に対して忠実であるかを常に評価している

人間の才能とは自分がやりたいことをすることではない

評価者にとって有益であることを、才能と呼ぶのだ

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